バイリンガルろう教育支援室

 手話の環境を提供するだけでなく、ろう児とろう児の家族に対するバイリンガルろう教育全般の支援活動を行うために、バイリンガルろう教育支援室を設置しています。乳幼児期から安心して子育てができるように、次のようなサポートを行っており、本校を卒業した後も継続されます。
・親子のコミュニケーションの支援
・ろう・難聴児の子育てに役立つような保護者への手話教室
 例:ろう親コースと聴親コースに分かれて、絵本の読み聞かせや親子トーク
・保護者対象の情報提供
 明晴サロン(年4回程度)や保護者勉強会
 例:明晴学園の研究発表、海外のろう教育の状況、人工内耳の動向など
・在籍児や保護者、卒業生に対する日本手話や日本語に関するサポート
・学校および家庭で使える教材の開発
・STの配置 など

乳児体験イベント

明晴プレスクール「めだか」

 

明晴プレスクール「めだか」とは?

学校法人明晴学園では、0歳児から2歳児までの聞こえない・聞こえにくい赤ちゃんを対象とした児童発達支援事業所「明晴プレスクールめだか」を運営しています。ここでは、赤ちゃんの母語となる十分な手話環境と保護者支援など、様々なプログラムを提供しています。「めだか」という名前は「目が高い赤ちゃん」という意味が込められてます。

 

赤ちゃんが聞こえにくいと診断されたお母さん、お父さんへ

大丈夫です

赤ちゃんが聞こえにくいと診断されたお母さん、お父さん、とても心配で気持ちが沈んではいませんか? でも大丈夫です。赤ちゃんはちゃんと成長します。明晴学園の乳児支援は、心配しているお母さん、お父さんが、「大丈夫」という気持ちをもてるようになるところです。

大丈夫です

 

 

ことばの世界へ

ことばの世界へ聞こえにくい赤ちゃんも、手話で話しかけると、しっかり反応します。聞こえる子とまったくおなじように発達し、成長します。
 
明晴学園の乳児支援には、ふだんから手話を使っている「ろう者」と、十分な手話の力がある耳の聞こえるスタッフがいます。そして手話で赤ちゃんと一緒に過ごします。すると赤ちゃんは誰でも、自然に手話を覚えます。お母さんもお父さんも、ここで手話を学びましょう。赤ちゃんが2歳になり、乳児と呼ばれる年齢になったころ、聞こえる子とおなじように、親子でいろいろな話ができるようになります。

乳児支援は、赤ちゃんをことばの世界に入れてあげるための、とてもたいせつな場所なのです。

 

 

乳幼児のことばの発達

乳幼児のことばの発達赤ちゃんは誰でも、どんなことばに接していても、生後数か月は自分からことばを出すことはありません。けれどこの間に毎日たくさん、周囲にあることばを吸収しています。そしてことばを覚えるのに必要な「言語意識」を発達させます。この言語意識があってはじめて、赤ちゃんはことばの世界に入れるようになります。

聞こえにくい赤ちゃんが毎日たくさん、まったく何の問題もなく吸収できることばは、手話です。


手話を見ていると、赤ちゃんは早ければ4,5か月くらいから、手話に反応するようになります。手を振ったり、握ったりする動きのなかに、ふだんとはちがった「意味のある動き」が現れます。手話の「喃語(なんご)」と呼ばれる動きです。これは赤ちゃんが、「私も話がしたい」と一生懸命訴えている姿です。ろう者が見れば、よくわかります。

1歳前後で赤ちゃんは最初のことばを出し、2歳までに2語文が出てくるでしょう。こうした言語の発達は、手話でも日本語でもまったくおなじです。

手話の喃語は、耳の聞こえる人たちには読みとれないことがあります。手を振りまわしているだけのようでも、それが「運動」なのか、「意味のある動き」なのか、手話を知らない人には見分けがつきません。

赤ちゃんが何をいっているのか、それをどう見分ければよいか、またそのとき赤ちゃんにどう話しかければよいか、それを、ろう者に教えてもらいましょう。聞こえにくい子もどんどん自然な言語習得をとげることができます。

 

 

自然な言語の獲得

自然な言語の獲得明晴学園の乳児支援は、赤ちゃんにことばの訓練をするところではありません。赤ちゃんがいつのまにか、自然に手話を覚えてしまうところです。

ことばを獲得するとき、「いつのまにか、自然に」は、とてもたいせつな意味があります。それは、「いつの間にか、自然に」獲得したことばは「母語」となり、自由に、自然に使えることばになるからです。

人間の母語は、訓練や学習によって身につけるものではありません。聞こえない子、聞こえにくい子は、いったん母語としての手話を獲得すれば、手話であらゆる会話を楽しめるようになります。手話をもとに、ほかの言語も身につけることができます。

*赤ちゃんがまったく苦労せず手話を獲得できるのは、手話が英語や日本語とおなじ「自然言語」だからです。英語でも日本語でも手話でも、赤ちゃんは自然言語であればたちまち獲得する力をもっています。おとなにはないこの力は、乳幼児の時期にしか発揮されません。この時期であっても、聞こえないことばをいくら聞かせても、また身ぶりやジェスチャーをいくら見せても、母語の獲得には結びつきません。

人間の母語は、訓練や学習によって身につけるものではありません。聞こえない子、聞こえにくい子は、いったん母語としての手話を獲得すれば、手話であらゆる会話を楽しめるようになります。手話をもとに、ほかの言語も身につけることができます。

*赤ちゃんがまったく苦労せず手話を獲得できるのは、手話が英語や日本語とおなじ「自然言語」だからです。英語でも日本語でも手話でも、赤ちゃんは自然言語であればたちまち獲得する力をもっています。おとなにはないこの力は、乳幼児の時期にしか発揮されません。この時期であっても、聞こえないことばをいくら聞かせても、また身ぶりやジェスチャーをいくら見せても、母語の獲得には結びつきません。

 

 

手話の子育て

手話の子育て明晴学園の乳児支援では、お父さんやお母さんも手話を学ぶことができます。

はじめは手話ができなくてもまったく心配はいりません。明晴学園にいる多くの保護者も、はじめは手話ができませんでした。みんな子どもを育てながら手話を学び、子どもに教えてもらいながら十分な手話の力をつけてきました。

 

 

人工内耳を待つ間にも

人工内耳を待つ間にも人工内耳をする場合も、手話は絶対に必要です。人工内耳は、早くても1歳半にならないと手術ができません。手術をすればそれで終わりではなく、その後、機器の調整や言語聴覚士の訓練が長期にわたって必要です。

人工内耳をしても、それが使えるようになるまでには、生まれてから2年以上の歳月がかかります。この間、赤ちゃんを「無言語」の状態においてはなりません。この間こそ、手話が最もたいせつな役割をはたします。


手話は、人工内耳に悪影響を与えません。むしろ、最初に手話を覚えていた方が、人工内耳の成功率は高くなります。「人工内耳をするなら、手話はしない方がいい」というのは、言語習得の科学を知らない人です。

聞こえにくい赤ちゃんは、手話を身につけていれば、人工内耳が失敗しても心配はありません。これまで人工内耳で失敗した多くのケースも、もし手話を覚えていれば助かったケースがほとんどでしょう。

 

 

多様な情報と選択肢を

多様な情報と選択肢を聞こえない、聞こえにくい子の子育てについて、お医者さんや病院、専門家といわれる人びとに十分な知識があるわけではありません。ことに言語習得については、最低限必要な情報ももっていないことがあります。

私たちには、行政や医療機関にはない、独自の経験と知識があります。どのような子育てをする場合でも、まず多様な情報と選択肢について知っておいてください。

聞こえない、聞こえにくい赤ちゃんをもつお父さん、お母さん、ぜひ一度明晴学園においでください。そして乳児支援に参加してみましょう。手話を身につけた子どもが、聞こえる子とまったくおなじように成長することを、ご自身の目で確かめてください。

 

 

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