毎月5のつく日は〇〇デー
「し」る(知る)
「か」んがえる(考える)
「あ」らわす(表す)
「り」ようする(利用する)
小学部は、このうち最後の「り」に力点をおくことを、今年度の学部目標にしています。
何かできないかと思案していた先生が、スーパーのお客様感謝デーにヒントを得て、
毎月「5」のつく日を、楽しく日本語を使う「にほんごデー」にしようと、思いついたのです。
朝の会で、先生が「おはようございます」と板書しました。
子どもたちは、手話であいさつしない先生に、一体なにが起こるんだ?とザワザワ。
その場で、にほんごデーのことを聞かされた子どもたちは、
「えーーー!」と、さらにザワザワザワ。
ろう児にとって日本語は、母語の手話ほど自由に使えない第二言語です。
明晴には日本語という授業があり、国語の教科書や副教材を使って、
日本語の読み書きなどを、手話を通して学んでいきますが、
低学年の子どもたちにとっては、習い始めの外国語と同じ、
ザワザワするのも当然です。
そこに、さらに先生の容赦ない指示が飛びます。
「事務室でホワイトボードをもらってきてください。筆談でね。」
「えええー!」「えーー!」
指名された2人は突然のことに大慌て。
文章は先生から提示されるものの、2階の事務室に行って書きはじめるので、
廊下を歩いているときも、階段を上がっているときも、
一生懸命、2人で指文字を出し合っていました。
動画はそこから後の話。果たして筆談は成功するのか?
自分の書く番が終わっても、もうひとりの子が書く文章を、
一文字ずつ頷きながら応援したり、
「「た」じゃなくて「だ」じゃない?」
と言われて、濁点の位置に自信がなくなったり…。
自分たちが書いた文章を事務員さんが読んで、
ホワイトボード消しをもらえるまでの、緊張感みなぎる2人の様子と、
全てが終わったあとの、解放感に包まれた2人の表情にも注目してみてください。
(それくらい、第二言語でのやりとりは緊張するということですね)