赤ちゃんの聞こえについて

聞こえなくても大丈夫!
聞こえない・聞こえにくいお子さんは『目の子』です!

聞こえない、聞こえにくいお子さんは、およそ1000人に1人生まれてくると言われています。そして、その両親の90%が聞こえる人です。小児の聴力障害について、医学的なことは病院で詳しく説明を受けられたことと思います。ここでは、聞こえない、聞こえにくいお子さんの特徴や、こころやことばの発達など、成長と子育てについてお話しいたします。

両親が聴者(聞こえる人)の場合、赤ちゃんが「聞こえない・聞こえにくい」ということに悲観的になりがちです。それは『いま、自分が突然聞こえなくなったら…』と想像して、それをお子さんに当てはめてしまうからです。しかし、もう少し想像の幅を広げてみてください。あなたの赤ちゃんは聞こえる生活を経験していないのです。つまり、『聞こえないことがフツー』なのです。それは、生まれつき聞こえる人にとって『聞こえることがフツー』であるのと同じです。耳が不自由なのではありません。聞こえないだけ!です。ですから、ろう者自身は聞こえないことを不幸とか不自由などと思っていないのです。

ろうの赤ちゃんは、聞くことではなく、見ることで周囲から多くの情報を吸収しています。人の顔や動き、物の位置関係、色や形、光や影など、その「見る力」「見分ける力」は、聴者よりも優れていると言っていいと思います。

私たちは、聞こえない、聞こえにくいことを不幸とか悲しむことだとは考えていません。あなたのお子さんは、聴力に代えても余りある「優れた目をもつお子さん」だからです。この先、どんな教育方法を選択するにしても、素晴らしい個性をもって生まれてきたお子さんだと自信をもってください。明晴プレスクールめだかでは、お子さんだけでなくご両親やご家族が、ほっとできる環境とたくさんの情報を提供しています。

赤ちゃんを抱っこすると、いつも反り返って困っていませんか?これは、聞こえない、聞こえにくい赤ちゃんが生まれたときから持っている“生きる(見る)ちから”なのです。聞こえる子が、両親の声や周囲の音をたくさん聞くように、聞こえない赤ちゃんは、周囲の出来事を余すとこなく見て育ちます。その力を上手に育てることが、赤ちゃんの確かな成長につながります。