Meisei Gakuen School for the Deaf

トップページ>教育理念・方針

教育理念・方針明晴学園は、「考える子ども」を育てます。自分自身の生き方を考え、自分らしく生きることのできる子どもたちです。

基盤としての手話

考える力のみなもとは、ことばです。手話ということばです。

これまでの日本のろう教育は、手話を言語とみなしてきませんでした。手話が言語であることを知らなかったのです。しかし手話は人間が使う数千の自然言語のひとつであり、日本語や英語とおなじ力を持つことが言語学的にも確立されてきました。今日手話で学校教育を行うことに、私たちは何の不安も疑念も抱いてはいません。

明晴学園は、子どもたちが学校生活のすべてにおいて自然言語としての手話を使い、手話によって考え、学び、創造的な思考を重ねるところです。

口話法を離れて

多くの聞こえない子にとって、音声をもとに日本語を獲得することは困難です。

聞こえない子に音によって言語を習得させようとするのは、自然な言語の獲得を阻害するだけでなく、子どもの正常な発達も妨げるおそれがあります。明晴学園にかかわる多くの成人ろう者は、過去のろう教育が作り出したこの問題の深刻な被害を受けてきました。

聞こえない子は耳ではなく、目で言語を獲得します。視覚を通して自然に、第一言語(母語)である手話を身につけます。銘記すべきことは、自然に獲得した言語でなければ、自然に使える言語にはならないということです。第一言語とは本来、訓練し、あるいは教えて獲得させるものではなく、自然に獲得すべきものなのです。

耳が聞こえなくても、特別な苦労や訓練をすることなく自然にことばを習得し、そのことばで聞こえる子とおなじ言語能力と思考能力を獲得する過程が、明晴学園では当然のこととして実現されています。

千神祭での集合写真

障害を乗りこえる手話

手話は、たんに聞こえない子の自然言語であるに止まりません。子どもの人格を形成し、自己の確立と誇りをもたらします。

明晴学園の子どもは、「耳の聞こえない子」ではなく「手話を使う子」です。聞こえないことをネガティブな視点から見るのではなく、手話を使うというポジティブな認識のもとで捉えています。それはまた、自分たちは社会の大多数とは異なる言語を使い、ろう文化という独自の文化を身につけた文化的マイノリティなのだという自覚と誇りを意味します。手話ということばから生まれるこの自覚と誇りは、子どもたちの人間的な成長になくてはならないものです。

ハルミブックで学習するろう児

手話からバイリンガルへ

手話という第一言語をもとに、第二言語としての日本語の読み書きを学ぶのが、明晴学園のバイリンガル教育(二言語教育)です。聞こえなくても手話さえできればいいというのではありません。日本の社会で自立するためには、日本語の読み書きの力が必須です。

手話と日本語のバイリンガル教育のために、明晴学園は「ハルミブック」など専用の教科書や指導書を開発し、「日本語ゲーム」のような独自の学習プログラムを開発してきました。こうしたバイリンガル教育は明晴学園独自のものであり、内外のバイリンガル教育や日本語教育の専門家との共同研究を積みかさねて実現してきたものです。

小学部高学年

バイリンガルから社会へ

バイリンガル教育は、教育の手段であっても、その目的ではありません。明晴学園の教育の目的は、一人ひとりの子どもが自立し、社会に参加し、自己実現に必要な力を可能なかぎり身につけることです。

自立する力、生きる力、あるいは人間力ということもできるでしょう。

学力以前の、人間の土台を作るこの力を、明晴学園は何よりも重視します。手話も、マイノリティとしての自覚と誇りも、またバイリンガル教育も、すべてはこのためにあるといっても過言ではありません。

人間の土台を作るこの生きる力は、日常の暮らしや学校生活のさまざまな経験を通して、また家族や先生、友だちとの複雑な人間関係のなかで育まれるものです。それは聞こえようが聞こえまいが、だれもがひとしく身につけるべき力でしょう。明晴学園の子どもたちは手話の環境のもとで、聞こえる子と同等の、ときにはそれ以上の、生きる力を持つことができると私たちは考えています。

明晴学園の教育の基本的な枠組みについて、さらに詳しくお知りになりたい方は下記よりご覧ください。

手話の教育

このページのトップへ

資料室