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理事長・学校長より
米内山理事長

豊かな心と確かな知識
自ら考え行動できる人を育てる。

平成20年4月、東京都の教育特区として日本初のバイリンガルろう教育を行う私立学校「明晴学園」が品川区八潮に開校しました。本校は、幼稚部と小学部の一貫校としてスタートし、平成21年には中学部を新設する予定です。

私たちろう者の言語は日本手話です。手話は国連で言語として位置づけられ、世界の30を超える国と地域で法律や条令によって言語として認められています。しかし日本では、公教育に言語としての日本手話を導入するには時間がかかることから、過去9年間のバイリンガルろう教育の実績があるNPO法人バイリンガル・バイカルチュラルろう教育センターが、文部科学省、東京都、品川区の協力を得て学校法人を設立しました。日本のろう教育で初の試みとなるバイリンガルろう教育は、言語学の専門家の応援を得て進める二言語(日本手話と書記日本語)・二文化(ろう文化と聴文化)教育の研究開発校です。これにより、70年以上「聴覚口話法」しかなかった日本のろう教育に新たな選択肢が誕生することになります。本当にたくさんの方のご支援によって、ろう者の長年の夢である「ろう児が100%理解できる学校」が実現することを心から感謝しております。

明晴学園では、個性を尊重し、自ら考え、行動できる人を育てて行きます。子どもたちは、伸び伸びとした活気ある学園生活の中で、豊かな心と確かな知識を養い、やがて社会の様々な分野で活躍することでしょう。明晴学園は産まれたばかりの学校です。教職員・関係者一同頑張ってまいります。ろう児の輝かしい未来をつくるために、引き続き、多くのみなさまにご理解とご支援をお願い申し上げます。

学校法人 明晴学園 理事長 米内山 明宏

斉藤校長

明晴学園の中心にあるのは、
日本手話ということばです。

日本手話は、ろうの子どもたちが自然に覚え、自由に使うことのできるただ一つのことばです。

このことばによって子どもたちは、まるで息を吸って吐くのとおなじように、意のままに話しかけ、聞き、語りあい、世界と出会うことができます。

明晴学園の子どもたちは、「耳の聞こえない子」ではありません。

「日本手話を使う子」です。

日本に生まれた多くの人びとが日本語を自然に身につけてゆくように、明晴学園の子どもたちは、日本手話の環境のなかで自然に日本手話を身につけます。自然言語としての日本手話は、子どもたちの人格の核心をなしています。

過去のろう教育は、手話に対する無知と偏見によって、多くの子どもたちの可能性を奪いました。言語学や認知科学の専門家に指摘されるまでもなく、私たちは日本手話が日本語とまったく同等の自然言語であることを知っています。日本手話をもとにした教育は、日本語をもとにした教育となんら変わることのない成果をあげうるものです。

日本手話をもとに、明晴学園の子どもたちは日本語の読み書きを覚えます。そして日本手話と日本語という二つの言語ですべての教科の学習を進めます。子どもたちを教える先生もまた、日本手話を母語とするろう者か、日本手話の流暢な聴者であり、教室では何をいってもわかるという安心感とともに授業が進められます。こうしたバイリンガル教育の効果は、明晴学園の前身であるフリースクールでの9年間にわたる実践で十二分に実証されてきました。

明晴学園は、ろうの子どもたちが日本手話と日本語という二言語で学ぶ日本ではじめての学校です。このバイリンガル教育はしかし、明晴学園の手段ではあっても決して最終的な目的ではありません。ろうの子どもたちが日本手話の話者であることを誇りとし、ゆたかな人間性を育み、自己実現に向けて力を発揮できるようにすること、それが明晴学園の本来の目標です。ここで学んだ子どもたちは必ずや、ろう者も聴者もふくめた私たちの社会を支える人材に育つことでしょう。

学校法人 明晴学園 校長 斉藤 道雄

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